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ナナシス と アイコネ のブログ(たぶん)

「Tokyo 7th シスターズ t7s オリジナルサウンドトラック 3.0 -The Things She Treasured-」のブックレート "超"対談の感想

"超"対談を読む前に相当程度の覚悟が必要だった。
過去の茂木氏のインタビューの内容で、文意が取りづらい「リベラル」に関する言及があって(https://twitter.com/inaba_pyon/status/1158025569583284224)、"超"対談にてその部分がはっきりして、ナナシスや茂木氏のことを嫌いになるかもしれない、との懸念があったので。
結論から述べると、嫌いになるということは全くなく、150点(100点満点)(限界突破)の友好度が130点になった程度である。「自己犠牲」や「主従関係」といった昔の日本の価値観を「ある種の美しさ」として捉え、それらを表現していきたい、としている所に若干の懸念を抱いた(私個人の主義と相いれない可能性と、ナナシスにこれまで慎重に避けられてきた(ように見える)政治的イデオロギーの要素を追加してくる懸念)。

日本のエンタメはほぼ内需のような言われ方をされているけれど、実は家庭機ゲームや、アニメ産業の分野では外需が相当程度大きかったりする。(2020年度の任天堂の海外売上高比率は77.0% https://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2020/200507_3.pdf)(アニメ産業(関連商品を含む)の海外比率は1兆円越えの46% https://www.mag2.com/p/news/430310

日本の衰退の根本にはネットがあると茂木氏。もし、衰退が全世界的なものではなく日本固有の現象であるなら、「現在の人類の精神性のレベルに対して早すぎた」と人類全体を射程に入れているのはなぜだろうか。言及はないが、「人類の精神性」以上に日本の精神性のレベルが後進的と想定しないと矛盾する。(暗にそういう含意があるなら、そう言いたくなる気持ちは分かる……)

イムリーな話題が。現役女性プロレスラーが自身の非を横に置いて相手男性に怨念をぶつける → 左記プロレスラーの言動を許せないと誹謗中傷などの怨念をぶつける → 左記プロレスラーの自殺をきっかけに誹謗中傷を許せないと誹謗中傷していた側に怨念をぶつける +誹謗中傷への反発の怨念すらもショックドクトリン式に利用し、自身が望む形での「法改正」を狙う"大人"(まるでEPISODE4.0に登場する"大人"のような連中だ(!) )という一連の「負の連鎖」が起きている中での話題。
ところで、EPISODE4.0作中では、誹謗中傷を含むAXiS側が仕掛けた怨念に対して、やり返さずに、茂木氏が述べた内容とは反対の方法論をとったのはなぜだろうか。また、怨念と善意は二律背反ではなく、善意として機能する行動が怨念を原動力としていることもしばしばある。誹謗中傷の抑止が、誹謗中傷への反発の怨念によって実現しつつあるのもその一例だろう。AXiS側に対しても、天神ネロやそのメンバーにやられたことへの怨念を返す形であったとしても、毅然とした対応を取っても良かったのではなかったか。とも思う。(一方、天神ネロにも自殺ではなく、春日部ハルを突き落として殺害する(または777☆S全員か、火を放って観客も含め皆殺し・全部灰にする)ラディカルな行動(=「アイドル」というものの評判をより完璧に破滅させる方法)を取っても良かったのではなかったか。と今も思う)

ここから、岡氏が相当冷淡な語り口で持論を語っている。イラストを描いている人間としては、岡氏が音楽の分野の人物で、イラストの分野ではなかったことに感謝したい…… 相手がプロまたは本気でプロを目指している人物か、岡氏の語り口と同じかそれ以上に他者を冷淡視して語っている人物に対するカウンターだというのなら、分からなくはないが……

そこから、インタビュアーに促されてサントラ楽曲の話題に移ってから、アプリ作中の内容などに移り、「皇帝ペンギン」のくだりでは、茂木氏と岡氏の間の若干の噛み合わなさが先鋭化し、この場面では茂木氏がある種の"不信感"を薄く岡氏に抱いて軽く牽制していき、それに岡氏が抵抗していく展開がスリリングな印象であった。