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ナナシス と アイコネ のブログ(たぶん)

吹奏楽はライブバトルに参加できない故、B.A.Cは永遠に不戦敗をし続ける【エビスト】

 8 beat Story♪(エビスト)の新ユニットB.A.C のストーリー第1章が追加されて、(概ね)すぐに書いた文章(感想文)です。


B.A.C は吹奏楽部解体の夢を見るか?

 B.A.Cストーリーの冒頭でアモルが涙を流している場面がある。その涙を流している理由は、ナナシスのKARAKURIの楽曲「Winning Day」ではないけれど、全ての人間をBANに追い込み、誰もいなくなった勝者の孤独を感じての涙と捉えたい。アモルが無理をしているとか、自分に嘘をついている、などといった陳腐なストーリーには回収されて欲しくない。

 アモルは、人間の音楽の世界は過酷な競争世界と捉え、それを終わらせるのを目標としているのにもかかわらず、アモル達B.A.Cが仮想空間でのライブバトルという競争世界に参加していくのは、矛盾しているようにも見える。しかし、(大河ドラマに登場する)戦国武将が、戦乱の世を終わらせ、天下泰平の世を実現することを目指して、果てしない戦いに身を委ねていくのと同様に、人間の音楽の過酷な競争世界を終わらせることを目指して、果てしないライブバトルに身を委ねていくのだろう。

 そもそも、人間の音楽の中には、ライブバトルで定められた形式に不適合なため参加できないジャンルの音楽がある。しかも、その音楽は、過酷な競争世界そのものな現状となっており、アモルが嫌悪するであろう状況にも拘わらず、直接ライブバトルで打ち負かせない現状となっている。その音楽のジャンルは、例えば吹奏楽である。

 アモルがアニメ「響け! ユーフォニアム」にて描かれている吹奏楽部内の醜悪さを目にすれば、第1期第1話の顧問の誘導行為の時点で嫌悪感を抱かずにはいられないであろう。また、現実の吹奏楽の現状も、アモルたちから見れば「愚かな人間たち」(「Silent World」の歌詞より)というに他ならない。過酷な競争世界で勝者となるためにパワハラモラハラが横行しており、目を覆いたくなる惨状である。

 

(参考 一例として)

淀川工科高等学校の吹奏楽部のドキュメンタリーに対する違和感 te-koku.com/archives/720

恣意的・感情的な指導、配慮に欠けた指導直後に自殺した子どもたち―シンポジウム「きょうだいらが語る『指導死』」より(下) https://blogos.com/article/254023/

 アニメ「響け! ユーフォニアム」では描かれなかった・描けなかった、そして頑なに避けられた吹奏楽部の醜悪な暗部(そこで描かれていた欠点はあるが、クリティカルな暗部を回避した「見せかけの欠点」の範囲でしかなかった)の描写を、後続の系譜に位置づけられる吹奏楽部作品の登場を待つことなく、エビストのB.A.Cストーリーにて描かれることに淡い期待を持ちたい。

 B.A.Cにとってもどかしいのは、吹奏楽の分野に関してはB.A.C の活動を通じて、吹奏楽部員を自発的にB.A.C「信者」に「改宗」させる間接的アプローチしかないのが現状である。当然、頑なに自発的な「改宗」を拒む吹奏楽部員や指導者の存在が想定されるので、既存のライブバトルとは異なる吹奏楽部が参加可能な新しいバトルの形式を用意するか、ライブバトルのルールを変更し吹奏楽部がライブバトルに参加可能な状態にして、B.A.Cが吹奏楽部を次々に打ち負かしていくことが、今後は必要になるだろう。

 逆に人間側にとっては、ライブバトルの形式に不適合なジャンルの音楽の存在が、MOTHER側の侵攻に対するある種の「難民キャンプ」として機能し、人間側の音楽の敗着の確定を延々と避け続けられるところまで持ち込めるかもしれない。

 


サ終

 先日(2月22日)の2_wEiのライブにB.A.Cが乱入し、そこでサービス終了からの「開放」を観客へ訴えたようである。

私は、
・サービス終了はMOTHER側の勝利条件(サービス終了→先生のアカウントBAN(=敗北)&ハニプラの物語が紡がれなくなる +ハニプラ展開終息&その一方MOTHERは"向こう"で存在し続け勝利)
・MOTHER側の勝利は既定路線で、1日でも人間側の敗北の確定を先送りにできるかという防衛戦
・上記の防衛戦は、スマホゲーの宿命であるサービス終了を1日でも先送りしようとする、したい、ということのアナロジー
・(最後まで描き切る余裕があるのであれば)エビストのサービス終了時には、サービス終了と作中のストーリーを連動させてくる
……と考えていたので、言葉通りに受け止めるのであれば、その前提が崩れてしまうので衝撃的だった。

 この発言には、2通りの可能性が考えられる
(A)アモルは言葉通り、本当にサービス終了からの「開放」を目指している。 (B)アモルは、本当はサービス終了に追い込むことを目指しているが、「信者」獲得の為、嘘をついている。

 (A)のケースでは、メタ的に言えば、MOTHER側の勝利・人間側の敗北と、サービス終了を連動させない。そのことにより人間側の敗北は既定路線ではない、との運営側からのアンサー・メッセージとも取れる。また、(B)のケースでは、前提として、最終到達点として「Silent World」「音のない世界」を目指すのであれば、必然的に、音楽を奏でているエビストはサービス終了しなけらばならないはずだ。サービス終了による「先生」の締め出しと、「Silent World」「音のない世界」の実現の一助を目指し、さらに裏で「愚かな人間たち」とほくそ笑んでいるのかもしれない。